解雇とは、使用者の一方的な意思表示による労働契約の解約のことです。
解雇には普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3種類あります。
解雇は、客観的で合理的な理由がないと解雇権の濫用として解雇が無効となります。解雇したい従業員がいる場合でも、過去の判例を踏まえて総合的に判断をして解雇しないと、従業員より訴えられることになりかねません。

解雇するにはどうすればいい?

労働基準法により、労働者を解雇するためには、使用者は

  1. 30日以上前に労働者に通告
  2. 30日分以上の平均賃金を支払
  3. 解雇予告日数と解雇予告手当を、日割りにより換算
    (例:10日前に予告して、20日分の平均賃金を支払う)

ことのいずれかを行うことが必要と定められています。

下記の労働者は、解雇予告をしなくても、また、解雇予告手当を支払わなくても即時解雇が可能です。

  1. 日々雇い入れられる者(使用されてから1ヶ月以内の場合)
  2. 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(使用されてから所定期間内の場合)
  3. 季節的業務に4ヵ月の期間を定めて使用される者(使用されてから所定期間内の場合)
  4. 試みの使用期間中の者(使用されてから14日以内の場合)

解雇できない人もいるの?

次の場合は、法律で解雇が禁止されていますので、解雇することは出来ません。

  1. 国籍、信条、社会的身分を理由とすること
    (労働基準法第3条)
  2. 業務上の理由による傷病による休業期間中及びその後30日間
    (労働基準法第19条)
  3. 産前産後の休業期間中及びその後30日間
    (労働基準法第19条)
  4. 労働基準監督署等行政機関へ内部告発したことを理由とすること
    (労働基準法第104条,労働安全衛生法97条)
  5. 女性であること、または女性が婚姻、妊娠、出産したことを理由とすること。また婚姻、妊娠、出産したことを退職理由として予定する定めをすること。
    (男女雇用機会均等法第8条)
  6. 育児または介護休業を申出、あるいは取得したことを理由とすること
    (育児・介護休業法第10条・第16条)
  7. 労働組合の組合員である、労働組合に加入した、結成しようとした、労働組合の正当な行為をしたことを理由とすること
    (労働組合法第7条)
  8. 個別労使紛争に関し、行政機関に対して、援助やあっせんを求めたことを理由とすること
    (個別労働紛争解決促進法第4条3項)
  9. 労使協定の過半数代表者になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とすること
    (労働基準法施行規則第6条の2)
  10. 企画業務型裁量労働制の労使委員会の労働者委員になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とすること
    (労働基準法施行規則第24条の2の4)
  11. 企画業務型裁量労働制の対業務に就けることについて同意しないこと
    (労働基準法第38条の4)
  12. 派遣労働者が厚生労働大臣に申告したことを理由とする解雇
    (労働者派遣法第49条の3)
  13. 労働者派遣の一般派遣業務の派遣可能期間決定の際の意見聴取等の労働者の過半数代表になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とすること
    (労働者派遣法施行規則第33条の4)
  14. 公益通報を理由とすること
    (公益通報者保護法第3条)

厚生労働省が管理している都道府県労働局や各労働基準監督署などに寄せられた総合労働相談件数(労働問題に関する相談)は8年連続で100万件を越えています。中でも解雇に関する相談は多く、常に上位に位置しています。(厚生労働省発表資料より)
橋本事務所では、解雇トラブルの解決だけでなく、トラブルをあらかじめ避ける対策をご提案しております。トラブルが発生して、会社の経営に支障をきたさぬように、早めの対応をお勧めします。

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